三大疾病保険の必要性 三大疾病保障終身保険とは?

Published on

三大疾病とは「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」のことをいいます。 これらの病気に対する保険が三大疾病保険で、発病してから数十日経ったら、300万円程度の保険料が支払われます。そのため、三大疾病保険が必要かどうかを判断するには、 三大疾病とはどんな病気か 治療期間はどれぐらいかかるのか 治療費はどれぐらいかかるのか を見た上で、万が一、これらの病気にかかった時に、保険がなくてもやっていけるかどうかを考えることが重要です。 そこで、この記事では、それぞれのデータを見た上で、あなたにとって三大疾病保険が必要かどうかを一緒に考えていきたいと思います。 先日、私がまだ保険屋として頑張っていた頃に仲良くなった方と久々にお話していて、【三大疾病保障終身保険】の話題になりました。【三大疾病保障終身保険】は終身保険の一つの種類であり、多くの生命保険会社で取り扱っているので、ご提案を受けたり、実際に加入されている方も少なくないように思います。 私もバリバリと保険屋として頑張っていた頃には、多くのお客様にご契約いただきました。つまり、私はそのくらい素晴らしい保険の一つだと考えているのですが、実は【三大疾病保障終身保険】はお客様と生命保険会社の間でトラブルになることが少なくないようです。最近は新規での販売を中止している生命保険会社もチラホラあるようです。 今回は、【三大疾病保障終身保険】についてまとめていきます。 三大疾病とは? 保険屋さんと話をしていると、『三大疾病の保障が・・・』とか『七大疾病でも出るようになりました・・・』とか、『成人病でも出ます・・・』『女性特有の疾病でもご安心ください・・・』などという営業トークを聞いたことがある人が多いのでないでしょうか。 しかし、このあたりの営業トークを聞いても違いがわからない・違いを覚えていない方々がほとんでではないでしょうか。私もそんな人間です(笑)。さすがに保険屋として10年ほどやってきたので、このあたりのことは覚えていますが・・・あまり興味がないことは何度聞いても覚えられません(^_^;) 少しお話がそれてしまっていたので、本題に戻します。【三大疾病】とはどのような病気なのかご説明します。【三大疾病】とは『がん(悪性新生物)』『急性心筋梗塞』『脳卒中』のことです。それぞれのことをきちんとご説明していると、とても長く膨大になってしまうので、ここでは割愛します。要すると【三大疾病】というのは、『がん・心臓の病気・脳の病気』のことなのです(かなりざっくりとした説明なので、きちんと理解されたい方は医療関係者などの専門家にご確認いただけますと幸いですw)。 三大疾病保障終身保険の特徴 次に【三大疾病保障終身保険】についてご説明します。こちらはベースは終身保険なので、終身保険同様に以下の特徴があります。  一生涯の終身保障である  貯蓄機能があり、お金がたまる  死亡時・高度障害時の保障がある  リビングニーズ特約がついている(余命6ヶ月以内と診断されると、保険金を受け取れます) 以上の特徴に加え、『三大疾病と診断された場合も死亡時と同額の保険金をお支払いします』という保障がついているのが三大疾病終身保険の特徴です。つまり、普通の終身保険よりも保障が充実しているのが、【三大疾病保障終身保険】なのです。 なので、同額の保険料(掛け金)で比較すると、【三大疾病保障終身保険】よりもシンプルな【終身保険】の方がお金をためることができます。 三大疾病終身保険の落とし穴 とても魅力的な保険商品だと思うのですが、生命保険会社とお客様がもめやすい落とし穴が、実は存在します。 それは主に2点あります。  三大疾病となり保険金を受け取ると、その時点で、保険は終了となる 終身保険であるがゆえの誤解と言えるかも知れません。三大疾病保障終身保険では『三大疾病となり、一度でも保険金を受け取ると、その時点で保険は終了』します。 つまり、がんと診断されて保険金を受け取った方が、その後死亡されたとします。がんの診断時に保険金を受け取っているので、死亡時には保険金は支払われないのです。  三大疾病と診断されるだけでは、保険金を受け取ることができない まず『がん(悪性新生物)』の中でも、保障適用外のがんが存在します。生命保険会社によって、条件は若干異なりますが、『上皮内がん』『悪性黒色腫以外の皮膚がん』あたりは保障の対象外とされていることが多いです。 また『心筋梗塞』・『脳卒中』になるだけでは保険金は受け取れません。『心筋梗塞』『脳卒中』となり、一定期間(60日間など)労働できなかったり、一定期間(60日間)後遺症が残ったりしなければいけません。60日間って結構長くないでしょうか。どうでしょう? 元保険屋さんの立場としては、保険屋さんは契約前にきちんとこのあたりもご説明いただきたいですし、お客様にはきちんと理解した上でご契約いただきたいです。また死亡時に残していくご家族と生命保険会社がもめることも少なくないようですので、加入している保険の契約内容くらいは、簡単にご家族もお伝えしておいていただけると、良いのではないかと思います。 死亡時・高度障害時だけでなく、医療系(三大疾病)の保障がついているので、保障としては手厚い方でしょう。その反面、保障がシンプルな終身保険などと比較すると、貯蓄としての魅力は劣ります。ただ、保障と貯蓄をバランスよく準備したいというニーズには、とてもマッチした保険だと思います。 万が一があっても、万が一がなくとも生命保険会社に支払ったお金と同じくらいは戻ってきますので、もったいなさを感じにくいという点も【三大疾病保障終身保険】の魅力なのかも知れません。 保険屋の頃に勉強したこと・経験したことを中心にまとめています。少しでも幸せな人生を送るお役に立てたら幸いです。

地震保険へ加入しよう

Published on

4月になりついに消費増税が実施されました。消費税率が5%から8%に上がる直前には、全国各地で駆け込み消費がみられました。17年ぶりの消費増税による駆け込み消費は出足が遅かった分、直前の3月にはすさまじい勢いで消費が進んだようです。4月以降、この反動が心配されますが、その陰でもう一つの駆け込みが発生しています。 地震保険が7月に値上げされる 昨年の3月に損害保険料率算出機構が地震保険の基準料率を変更するための届け出を行いました。この結果、今年(平成26年)7月以降を開始とする地震保険契約の保険料が全国平均で15.5%引き上げられることになりました。 保険料の引き上げまであと2カ月少しにまで迫り、保険料が上がる前の駆け込み加入が増えているのです。消費増税が実施されたばかりですから、少しでも負担は小さい方がいいですからね。 地震の危険度は4区分から3区分に集約された 東京は地震が多いけど佐賀は少ない、といったように地域によって地震の危険度は大きく違います。地震保険はその危険度に応じて保険料を決めています。つまり、危険度が高い地域に建物があれば保険料が高い。逆に危険度が低い地域にあれば保険料が安くなるわけです。 この危険度は現在4つの区分に分けられています。これが3つに集約されます。今回の改定は東日本大震災を受け、新しい震源モデルに基づいて計算をやり直したことによります。それにより、これまで危険度が低いとされていた地域が高くなる、逆に高いとされていた地域の危険度が低くなることもありました。大きな傾向としては、東日本を中心に保険料が上がることになります。 等地区分の改定 等地区分は数字が大きいほど地震の危険度が高い地域ということになり、保険料も高くなります。東海地震、東南海地震、南海地震の影響を受けそうな地域が最高の区分に入っていることがわかります。 徳島県と高知県は大幅上昇 では実際に地域別にどの程度保険料が変化するのか見てみましょう。実際には地震保険にはさまざまな割引制度が導入されていますが、基本の保険料率の変化をみるために割引制度を全く適用しない状態で比較しています。 地震の危険度は建物の構造によっても異なりますので、地震保険の保険料も建物の構造によって異なります。鉄筋コンクリートのマンションのような耐火建築物(準耐火建築物や省令準耐火建物含む)はイ構造です。それ以外の建築物はロ構造です。イ構造に比べロ構造の方の危険度が高いため保険料は大幅に高くなっています。 木造建物はロ構造というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。中にはイ構造に分類できる木造建物もありますので、建築した工務店やメーカーに確認しましょう。 今回の改定で保険料が下がる地域はほんのわずかです。ほとんどの地域で保険料が上がりそうです。特に茨城、埼玉、大阪、徳島、愛媛、高知は等地区分の変更の影響が強く出てしまい、保険料が大幅に上がるので要注意です。 割引適用がない場合の保険料の変化 危険度が高い地域でも加入率が低い地域が 自分が住んでいる地域が、新しい震源モデルで計算したら危険度が高いとされた。もしそうなら積極的に地震保険に加入したいところです。東日本大震災でも、自宅が大きな被害を受けたとしても、地震保険に加入していたことで2重ローン問題に巻き込まれなくて済んだ家族に出会いました。 ところが地震保険への加入率は全国平均で27.1%でしかありません。全国で一番加入率が高いのが宮城県の48.5%でほぼ半数の建物が地震保険に加入しています。等地区分が3に分類された地域は特に危険度が高いとされているわけですが、千葉、東京、神奈川はそれぞれ30%を超えている一方で、茨城、埼玉、静岡、三重、大阪、和歌山、徳島、愛媛、高知は20%台に止まります。巨大地震の発生が予測される中、こうした地域は特に地震保険への加入を検討すべきでしょう。 加入するなら値上げ前が理想だが… このように地震保険料の値上げを前にしている今、地震保険への加入を検討していただきたいところです。ただし、保険料が値上がりする地域でも、実は7月以降に加入した方がいいという方もいるのです。 7月の改定後には各種割引制度の割引率がおおむね上がっているからなのです。次回は6月までに加入した方がいいのか、それとも7月以降に加入した方がいいのか、その条件を探っていきます。

建設工事保険とは?意外に知らない補償内容と使い分け

Published on

建設工事を行う事業者の方は、必ず建設工事保険に加入することと思います。しかし、補償内容について、どの程度理解していらっしゃるでしょうか。 建設工事保険は、工事の目的物や工事用資材等の損害を幅広くカバーするものです。しかし、補償対象となっている損害が発生した場合も、その全てがカバーされるわけではありません。また、たとえば、工事中に作業員の方が怪我を負った場合等はカバーされません。 したがって、建設工事保険は補償内容をしっかり理解した上で加入していただく必要があります。そして、その上で必要に応じて別途、他の保険をプラスする必要があります。 この記事では、建設工事保険がどんなものかという補償内容に関することと、他の保険との役割分担等、建設工事保険に加入する前にかならず知っておきたい最低限の知識について、分かりやすくお伝えします。 1.建設工事保険の対象となる工事・モノ 1.1.対象となる工事 建設工事保険は、建設工事現場で起こった事故で、工事中の施設や工事用の設備等に発生した損害をカバーする保険です。 建設工事保険の対象は、ありとあらゆる建設工事です。大きく分けると以下のようになります。 土地の造成工事 交通機関の敷設等:道路、橋、鉄道、地下鉄、トンネル 土地に密着した建物以外の施設の工事:(例)駐車場、地下街 ライフラインの設置工事:(例)水道管の埋設 河川・ダム・港湾等の整備工事 ただし、注意が必要なのは、建設工事保険の対象は建設工事がメインの場合だけです。建物の建設がメインの場合は建設工事保険ではなく建設工事保険の対象となります。たとえば、駐車場工事をする場合でも、その駐車場がこれから建設する店舗等の建物の利用者のためのものであれば、建設工事保険の対象となります。 建設工事保険については、『建設工事保険とは?カバーする範囲に関する基礎知識』をご覧ください。 1.2.対象となるモノ 建設工事の対象となるモノは以下の通りです。 工事の対象となっている施設・モノ 仮工事の対象 現場事務所・宿舎等のプレハブ建物とその内部の備品 工事用資材・仮設材 このように、建設工事の目的となっているモノと工事用に建てたモノ・持ち込んだ備品が対象となります。 一方、以下のモノは対象とならないので注意が必要です。 工事用機械 自動車等の車両 工事事務所内にある現金等 なぜならば、工事用機械は機械保険の対象、自動車等の車両は自動車保険の対象だからです。現金等については、建設工事事務所にまとまった額の現金等を置いておくことは常識的には想定されていないので、対象外です。 2.損害の原因となる事故は「予測できない」「偶然の」もの 建設工事保険の対象となる損害は、「不測かつ突発的な」事故です。つまり予測できず、偶然発生してしまうものです。 以下の表をご覧ください。地震以外の自然災害、施工ミスまで幅広くカバーされます。 建設工事の対象事故 2.対象となる損害の額と、実際に支払われる保険金の額 建設工事保険は、対象となる損害の額と、実際に支払われる保険金の額が微妙に違います。必ずしもイコールではありません。 まず、どこまでの額が対象となるかを確定します。そして次に、そのうち、予め加入時に決められた範囲の額の限度で保険金を支払います。 2.1.建設工事の対象となる損害の額 建設工事の対象となる損害の額は、損害が発生した状態から元の状態に戻すのにかかった費用です。それ以外は基本的には含まれません。 したがって、元々の状態よりも価値の高いモノを作った場合の価値増加分や、損害防止・軽減にかかった費用はカバーされません。ご注意ください。 2.2.カバーされる額の限度|「支払限度額」を設定すると保険料が安くなる 建設工事保険の保険金の額には限度があり、次の2種類です。 保険金額 支払限度額 簡単に言うと、「保険金額」は請負金額全額を限度とするもの、支払限度額は、そのうち一部を限度とするものです。 まず「保険金額」は、基本的には請け負った工事の代金の額(請負金額)です。ただし、注文者から材料が支給されている場合はその分の金額は差し引かれます。 次に、「支払限度額」は、保険金額のうち、「ここまでの金額をカバーしますよ」という限度額を決めておくものです。 なぜこんなしくみがあるかというと、実際には、建設工事中に請負金額全額にわたってしまうような損害が発生することはきわめて稀でしょう。また、「全部を補償してもらわなくても大丈夫だから保険料を安くしてほしい」というニーズもあります。そのため、このような「支払限度額」を決められるようになっているのです。 「支払限度額」を設定するメリットは、保険料が安くなり経費の節約につながるということです。実際に建設工事保険に加入される業者様は、多くの場合、この「支払限度額」を設定しています。 2.3.自己負担の額がある また、「免責」と言って、「●万円」等の一定額までの軽い損害については自己負担にしておくことが多くなっています。この場合は、損害額が免責金額以下だと保険金が支払われません。 3.建設工事保険がカバーする期間 建設工事保険がカバーする期間は、基本的には1つの工事の期間中、着工から引き渡しまでの間です。しかし、1年間に請け負う全ての工事を包括して補償する「年間包括契約」もあります。 年間包括契約の場合、保険会社によっては、過去に事故がないと保険料が割引してもらえることもあります。 4.従業員の怪我や他人に損害を与えた場合は別の保険でカバーする 「1.建設工事保険の対象となる工事・モノ」でお伝えしたように、建設工事保険は、あくまでも工事中の施設や工事用の設備等に発生した損害をカバーする保険です。したがって、従業員が作業中に怪我をした場合や、通行人等の他人に怪我をさせてしまった場合については、別の保険の対象となります。以下、それぞれについてお伝えします。 4.1.作業員の怪我については労災保険・労働災害総合保険等の対象 まず、作業員が怪我した場合については、国の制度である労災保険でカバーされます。ただし、これはあくまで最低限の補償ですので、会社で独自に上乗せの補償として別途「労働災害総合保険」等に加入しておくことが有効です。 … Continue reading 建設工事保険とは?意外に知らない補償内容と使い分け

社会保険の種類

Published on

生命保険の役割として、国の社会保険制度による保障への、不安を軽減させるという一面があります。ですから、社会保険制度の内容を知っておくと生命保険選びに役立つと同時に、いざというときにも家族を守る要となります。 しかし、社会保険制度の内容は非常に細かく、法改正などによって頻繁に変わりますので、すべてを理解するのはたいへんです。それでも、概要を知っておくと便利ですので基本を押さえておきましょう。 民間の生命保険選びに深く関わる「公的医療保険」と「公的年金」 日本の社会保険制度には、「公的医療保険」「公的年金」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つの分野があります。その中でも、民間の生命保険選びに密接に関係するのは「公的医療保険」と「公的年金保険」です。詳しくは、各ページの説明をご覧ください。 いくつかの種類がある「社会保険」にはとは、国民が生活するうえで直面するさまざまなリスクに備えて事前に保険に加入し、いざというときに生活を保障する制度です。 社会保険のなかには公的年金、介護保険、公的医療保険、労災保険、雇用保険といったさまざまな種類があります。今回は、一般的な社会保険の種類とその概要を説明します。 公的医療保険 社会保険の代表的な存在でもある公的医療保険とは、加入者とその被扶養者が病気や怪我などで入院など治療を受ける必要があるときに保障してくれる保険制度です。日本国民は、公的医療保険に入る義務があり、これを「国民皆保険制度」といいます。 公的医療保険にもいくつかの種類があり、その運営は、国や企業、市町村などが行っています。どの保険に加入したとしても、同じ治療を受けた場合には同じ保険料が適用されますので、医療は全国場所を問わず平等です。 公的医療保険の種類は、以下のとおりです。 健康保険 健康保険とは、業務外の理由で病を患ったり外傷を負ったときやそれによって休業した場合、また出産や死亡に備えるための公的な医療保険制度をいいます。 保険者は、中小企業が加入する協会けんぽや、大手企業や同業種の企業グループでつくられる健康保険組合です。加入者である従業員が報酬に応じた保険料を支払うことにより、いざというときに保険給付を受けることができる制度です。 船員保険 船員やその被扶養者が業務外の理由で病気や怪我をしたときやそれによって休業した場合、また出産や死亡時に備えるための公的な医療保険制度をいいます。また、保険者は協会けんぽです。 もともとは船員に関するほぼすべての社会保険部門を司る制度でしたが、年金部門は厚生年金保険制度へ、職務上疾病は労災保険制度へ、失業部門は雇用保険制度へと、それぞれシフトされ、現在は「健康保険制度に相当する部門」と「船員の独自給付制度」のみを司る社会保険制度となりました。 共済組合等 国家、地方公務員や、私立学校の教師が加入する医療保険制度です。共済組合等とは、正式には法律により組織されている共済組合である、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会または日本私立学校振興・共済事業団を言います。なお、保険者は共済組合です。 国民健康保険 本来は、農家や個人事業主を対象とする医療保険制度で、昭和13年に作成されました。制定当初は組合方式でしたがあまり普及しなかったため、市町村運営方式が義務づけられました。 現在は、健康保険制度に加入していない農家、自営業者、退職者などを対象とした、業務外の理由での病気や怪我、出産・死亡時に備えておく公的な医療保険制度をいい、保険者は市町村や国民健康保険組合です。 後期高齢者医療制度 75歳以上の人や、65歳以上75歳未満で一定の障害をもち、後期高齢者医療広域連合の認定を受けた人の疾病や負傷、または志望した場合に必要な給付を受けられる公的な医療保険制度で、保険者は後期高齢者医療広域連合です。 公的年金 公的年金とは、老後までの長い期間に社会経済がどのような変化をしたとしても、老後を迎えたときにはこれまでと同水準の暮らしができるような年金を保障するための制度で、加入条件によっていくつかの種類があります。 なお、世代間扶養を行う公的年金ならではの特徴として、賃金や物価の水準の変動に応じて年金額水準を改定するしくみが取られているだけでなく、この社会保険への加入は義務づけられており、国民側には加入するかどうかの選択肢は与えられていません。 公的年金の種類を、以降に説明します。 国民年金 国民年金は、自営業者、会社員、専業主婦など、すべての国民に共通する年金制度です。老後を迎えたとき(老齢基礎年金)や負傷を負ったときや身体疾患などで障害が残ったとき(障害基礎年金)、加入者自身や加入者であった者が亡くなったとき(遺族基礎年金)に必要な給付が行われます。他の種類の年金・保険に加入している場合でも、国民年金への加入を免除されることはありません。 厚生年金保険 国民年金と同じく、高齢者・しょう害・亡くなったときに年金が支払われる制度です。 国民年金がすべての国民を対象とするのに対し、厚生年金保険はその名のとおり「保険」的な意味をもちます。主に会社員が加入者(被保険者)で、万が一の場合は被保険者やその家族を対象に年金を受けることができます。 共済年金 厚生年金保険と同じく、高齢者・障がい・亡くなったときに年金支払われる制度です。 共済年金の対象となるそれぞれの共済組合において、国家公務員、地方公務員が組合員、私立学校の常勤教師が加入者となり、万が一の場合は対象者やその家族を対象に年金の給付が行われます。 介護保険 要介護認定を受けた65歳以上の人や、40歳以上64歳以下で特定疾病による介護や支援が必要と認められた人が日常生活を送るために受けることができる保険医療サービスやデイサービスなどの福祉サービスに関連する給付制度です。 労災保険 働いている者が業務、通勤において災害にあった場合、その本人や遺族(本人が死亡した場合)に保険が支払われる制度です。 労災保険料は全額を会社が負担し、毎年定期的に国に対し支払いを行うことが義務づけられており、万が一、従業員が業務中に怪我や病気をした場合、国が会社にかわって治療費等の補償を行います。従業員はいざというときに確実に補償を受けられ、会社は多額の補償が必要になる不意の出費を避けることができます。 雇用保険 会社で働く人や働く意欲のある人の助けを行うための保険です。主なものとして、失業者の生活保障のための「求職者給付(いわゆる失業保険のこと)」があります。 その他、育児や介護をしている者や老齢者の雇用を継続するよう支給される給付金や、労働者自らの職業能力を高めるための教育訓練を受講した場合に支給される給付金など、雇用に関するさまざまな場面でサポートが受けられます。保険料は、会社と働いている者が決められた率で負担をしています。 まとめ 社会保険には公的な保険・年金制度全般を意味する広い意味があります。そのため、会社員だけでなく、会社を退職した人や高齢者、自営業者や主婦など幅広い層が加入しています。そして、すべての国民が直面する老いや障がい、死亡に対する保障ができるようさまざまな種類の保険が用意されています。例えば、「労働保険」である労災保険や雇用保険も社会保険の一種です。

組立保険とは?知っておきたい保障内容と活用場面

Published on

組立保険と聞いても、「なんとなく工事に関する保険かな」というイメージしか持てないと思います。 確かに工事に関係する保険なのですが、全ての工事をカバーするわけではありません。 実際にどんな仕事で必要なのか、保障の範囲や他の保険との守備範囲の違い、保障金額、保障を受けられる期間など、基本的な知識を理解してから加入を検討された方が良いでしょう。 まずは基礎知識として、保険内容から順を追ってご説明しますので是非ご覧下さい。 組立保険の対象となる工事は? 組立保険の補償対象となる「工事」は、建物以外の、複雑な構造をした機械・設備等の組立工事です。 たとえば、以下のようなものです。 • 産業機械や電気機器、動力機械や荷役機などの組立工事 • タンク・配管・ケーブル・鉄塔・煙突・橋梁などの組立工事 • 空調・電機・給排水の設備や内装工事、プラント工事 保険金の支払いとなる事故とは? では、保険金が受け取れるのはどんな場合でしょうか。 まず保険金の支払い対象となる事故は、工事現場において対象工事を行っているときに「不測に」かつ「突発的な」事故によって起きた事故です。具体例は以下の通りです。 • 火災・破裂・爆発事故 • 突風・落雷等の自然災害 • 見知らぬ第三者の悪意により起こった事故 • 施工ミス・作業ミスによる事故 • 盗難 このような危険のある工事を行っているのであれば、組立保険に是非とも加入しておくことをおすすめします。 保険金がカバーする範囲は? 保障される損害の範囲 基本的な保障範囲は「作業の目的物・自分が持ち込んだモノ」の損害 組立保険の保険金がカバーするのは、組立保険の対象となるカバーする損害は、作業の目的物や、自分が持ち込んだ機材・資材等の損害です。 それ以外の損害については、別の保険でカバーされます。たとえば、作業中に作業員の身に危害が生じた場合をカバーする保険は、国の制度である労災保険と、それにプラスして加入する「任意労災保険」等です。 また、他人の身体や財産に損害を与え損害賠償責任を負ってしまう場合をカバーする保険は「損害賠償責任保険(請負業者損害賠償責任保険等)」です。 損害額以外の諸費用も補償される 組立保険でカバーされるのは損害額そのものだけではありません。たとえば、以下のような費用までカバーしていますので、経済的には安心できる保険といえます。 • 損害が拡大するのを防ぐのにかかった費用 • 事故発生前の状態に直すための修理等にかかった費用 ただし、事故後に残った残骸にまだ金銭価値があれば、その分は保険金から差し引かれます。 また、多くの場合、「●円までは自己負担とする」という取り決めがされます。この「●円」は業界用語で「免責金額」と言います。免責金額が高いほど保険料が安くなります。 付けられるオプション(特約) 以上が基本的な保障内容ですが、それに加えてオプションとして特約を付け、保障が受けられる範囲を広げることができます。これにより、さらに充実したプランを作ることもできます。 特約の種類や内容は保険会社によって違いますが、主な特約は以下の通りです。 特別費用担保特約 請負金額に含まれていない急行貨物割増運賃(航空貨物運賃以外)、休日勤務・残業・夜間勤務による割増賃金が補償されます。 残存物の解体および取片付費用担保特約 事故によって損害を受けて残っている物を解体したり、取り壊したり、片付けたりするのに必要な費用(解体費用、取りこわし費用、取片づけ清掃費用および搬出費用)が補償されます。 保障期間は? 保障期間のスタートは、工事現場で保険対象物の荷降ろしが完了したときです。そして、終わりは引渡しの時です。もし引き渡す物がない場合には、工事が完成した時となります。 保険金が受け取れない場合は? せっかく保険に加入しても、保険金が出ない場合があります。ここでは保険金が出ない場面をご説明致します。 大きく分けると、以下の通りです。 • わざと(故意に)事故を起こした場合 … Continue reading 組立保険とは?知っておきたい保障内容と活用場面

耐震偽装に巻き込まれないために

Published on

昨年末から世間を騒がせている「耐震強度偽装問題」。これだけ大量の悪意をもって作られた“欠陥住宅”が販売されていたことに衝撃が走りました。私たち消費者とマイホームを供給する業者との間の信頼関係は、土台から大きく揺さぶられることになりました。 耐震偽装だけではないさまざまなトラブル 何千万円もするマイホームは、多くの方々にとって人生最大の買い物です。家族の夢をかなえる場所、思い出が作られる場所でもあります。また、多額の住宅ローンを抱え、家計を何とかやりくりしながら返済しているかもしれません。こんなにさまざまな思いの詰まったマイホームが耐震強度の偽装された物件だとわかったら、そのショックは計り知れません。 私たちのように家計の相談を受けている者にも、いわゆる“欠陥住宅”をつかんでしまった方からの相談があります。「それほど築年数がたっていないマンションなのに雨漏りがする」「床下をのぞいたら基礎から家が浮いている」などなど。今回の事件のように悪意をもって法令が守られなかったために被害を受けた方だけでなく、日本中には大小さまざまなトラブルを抱えた方が多くいるのです。 誰もが、こうしたトラブルには巻き込まれたくないはずです。では、私たちはどうやってマイホームを選べばいいのでしょうか? 安心のマイホームを手に入れるためには? なにはともあれ、安心できる構造、施工の家を選ぶことが第一です。ただ、残念ながら私たち素人が建物を見て構造などをチェックすることは不可能ですし、大手のハウスメーカーやディベロッパーだからといっても安心できる訳ではありません。 【1】複数の物件を比較検討する イメージ通常はパンフレットなどを比較したり、モデルルームを見学したりして物件を選ぶはず。きれいな写真を見ていると魅力的なデザインや設備に目が行きがちですが、建物の構造が最も重要なポイントです。なぜなら、外観や室内の設備などは後から変えることができますが、構造は建て直すしか手がありません。構造に対してどのような考え方をもって建てているのか比較しましょう。少なくとも1つの物件だけ見て「ひと目ぼれ」しないようにしてください。できるだけ多くの物件を見て比較しましょう。 【2】第三者の専門家に見てもらう お金はかかりますが、第三者の専門家に見てもらう方が安心できます。建物のチェックをしている不動産コンサルタントも増えてきました。専門家の中には図面や建物のチェックだけでなく、建築中の現場立ち会い、耐震診断までしてくれる方もいます。会社ごとに依頼する事項によって異なりますが数万円~数十万円かかります。 2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」に基づいた「住宅性能表示制度」を利用するのも手です。国土交通大臣から指定された「指定住宅性能評価機関(2005年12月28日現在109機関)」が住宅を評価してくれます。地震などに対する強さなど9つの分野に対して1~3等級の評価がなされます。費用も戸建であれば数万円~20万円程度でできるようです。 指定住宅性能評価機関リスト 住宅性能評価機関等連絡協議会 【3】保証つきの住宅を選ぶ イメージこのように私たちがさまざまな手を尽くしていくら用心しても、今回のような事件に巻き込まれることをゼロにすることはできません。専門家の方が注意してチェックしても100%ではありませんし、保証をしてくれるわけでもありません。 それでも欠陥が見つかったときのことを考えると、そのリスクを「保険」で担保することが理想です。こうした保険として機能するのが、住宅保証機構や住宅あんしん保証などが行っている保証制度です。 もともと業者には住宅品確法によって10年の瑕疵担保責任が課せられています。ところが、購入後10年の間に業者が倒産してしまえば意味がありません。そこで、こうした瑕疵担保責任が確実に履行されるよう保険でサポートしてくれるのがこの保証制度です。 ただし、この制度は購入者が自分で加入するのではなく、業者が任意で加入するものです。先日の新聞報道で「住宅のチェックに保険を活用」とあったのは、この制度を強制的に利用させようというものでした。現状では任意加入ですから、住宅を購入する際には保証制度を利用している業者かどうか確認してみましょう。中古住宅でも利用できる制度もあります。 住宅保証機構 住宅あんしん保証 また、耐震性など建物の構造に不安があれば地震保険には加入したいところです。耐震強度偽装を避けるという意味では役に立ちませんが、いい機会ですから現在ご加入の火災保険を確認してみましょう。

65歳を迎える社員の社会保険について

Published on

昨今の高年齢者の増加に伴い、60歳を過ぎた方々が就業を続けるケースが増えてきました。 年金事務所からは、社員さんが65歳になって、配偶者が国民年金1号加入手続きを取っていなければ、2カ月後くらいに通知はいきます。手続は、通知を待たずに、早めに行った方がよろしいでしょう。国民年金保険料は2月分から発生します。 これは、社会保険の「高年齢者雇用安定法の改正」や「厚生年金の受給開始年齢の65歳への段階的引上げ」(ともに平成25年4月~)などが大きく影響しています。 会社によっては、そのまま65歳を従業員として迎える場合があり、加入する社会保険においてはさまざまな手続きの変更を伴います。 「65歳」は社会保険の手続き上、非常にポイントとなる年齢です。今回は、従業員が65歳以上になったとき、社会保険実務担当者が注意しなければならない点について説明します。 従業員自身の社会保険の変更点 まず、65歳以上の従業員自身の社会保険上についての変更点について説明します。 国民年金 国民年金の被保険者には3種類あります。 会社勤めの方は第2号被保険者となり、同時に厚生年金保険の被保険者でもあります。そのため、65歳までは毎月給与から徴収される厚生年金保険料に国民年金の保険料も含めて処理していました。 従業員が65歳以上になり、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得すると、国民年金の被保険者ではなくなります。 この時、65歳の時点で老齢基礎年金の受給資格を得るのに必要な納付年数(※)を満たしていない場合でも、会社勤めを続ければ最長で70歳まで第2号被保険者でいられます。 この場合、手続は特に必要ありません。 (※)平成27年現在、年金を受給するためには25年の払込期間が必要ですが、平成29年4月(消費税率10%への引き上げ時)からは10年に短縮される予定です。 厚生年金保険 厚生年金保険は70歳まで加入できます。引き続き保険料は給与から天引きされ、65歳時点での会社側が行うべき変更は特にありません。 ただし、65歳以上になると給付面での変更があります。例えば、65歳以前に特別支給の老齢厚生年金を受け取っている場合があります。 しかし、65歳以上になると「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」を従業員自身が日本年金機構へ提出しなければならず、その結果、受け取る年金も老齢基礎年金と老齢厚生年金に変わります。 また、在職老齢年金の計算方法にも変更があります。60歳代前半までは、ひと月あたりの年金と給与の合計が28万円以下のときに年金が減額の対象とされてきました。 これが65歳以後は、合計が46万円以下だと減額されることになります。こちらも特に会社側での手続きは必要ありません。 介護保険 介護保険では、40歳から65歳までの医療保険加入者のことを第2号被保険者、65歳以上の方を第1号被保険者と呼びます。 65歳までの従業員はこの第2号に該当し、保険料は給与からの天引きです。65歳を迎えて第1号になると、その後に支給される年金から天引きの形で徴収されます。 この場合、保険料の納付は従業員本人が行う形となります。 (ただし、65歳になったからといって、すぐに保険料が天引きされるわけではありません。居住する市区町村によって方式が異なりますが、通常は年金請求して天引きの対応が整うまでの間、市区町村から送付される納付書または口座振替で納付する形になります。) 被扶養配偶者の変更点 次に、65歳を迎えた従業員の被扶養配偶者の変更について説明します(被扶養配偶者本人は会社勤めをしていないため、厚生年金保険は対象外です)。 国民年金 被扶養配偶者は、従業員である第2号被保険者と配偶関係にあり、かつ20歳以上60歳未満の場合において国民年金の第3号被保険者となります。 それまでの保険料は、従業員である第2号被保険者の納める保険料で賄う形でした。しかし、従業員が65歳以上だと、前節で見たように国民年金の被保険者ではなくなります。 そのため、60歳未満の配偶者は第1号被保険者となり、自ら保険料を納めなくてはなりません。 この場合、居住する市区町村の役所で第1号被保険者への手続(種別変更)を配偶者自身で行います。 健康保険 健康保険は従業員が75歳になるまで継続します。被扶養配偶者の保険料は被保険者全体の保険料で賄われているので、配偶者自身が先に75歳にならない限り、従業員が65歳以上でも配偶者の健康保険は維持されます。 介護保険 健康保険の被扶養者である40歳から64歳までの配偶者の場合、介護保険料は会社に勤める40~64歳の第2号被保険者全体で賄うため、被扶養者自身が保険料を納めることはありません。 健康保険と同じく、被扶養配偶者自身が先に65歳にならない限り、従業員が65歳を迎えても介護保険は維持されます。 (65歳以後は配偶者自身が第1号となり、自ら保険料を納めます。) 誕生日が「1日」の人は要注意 社会保険では誕生日当日を1日目として起算するため、「○歳に到達した日」とは「誕生日の前日」になります。つまり、「65歳に到達した日」とは「65歳の誕生日の前日」です。 月をまたぐ場合、例えば1日に生まれた人の場合には、誕生日の前日が誕生日とは違う月になるため、注意が必要です。 健康保険・介護保険・厚生年金保険(国民年金)では、「当月分の給与から前月分の保険料を天引き(控除)する」という形をとります。 具体例を挙げて考えてみると、6月1日に65歳の誕生日を迎える人は、前日の5月31日が65歳到達日です。保険料は65歳に到達した月の分から控除されなくなるため、この場合は5月分から保険料の控除がなくなります。 一方、6月2日が誕生日の人の65歳到達日は6月1日で、保険料の控除中止も6月分からとなります。 給付面も同様です。老齢の年金は「65歳に到達した日」に受給権が発生し、その翌月から実際の支給が始まります。 ここでも、6月1日生まれの人は5月31日に受給権が発生し、6月から年金の支給が始まるのに対して、6月2日生まれの人は6月1日に受給権が発生し、年金の支給は7月からとなります。 まとめ 65歳は年金の支給という大きな節目になるため、社会保険上はさまざまな変更手続きが必要になります。65歳以上のほかにも60歳、70歳なども節目の年齢に当たります。 会社の社会保険実務担当者の方は、それぞれの場合にどのような手続きが必要になるか、チェックしてみて下さい。

「契約者」「被保険者」「保険金受取人」の違い

Published on

保険を検討していると「契約者」「被保険者」「給付金(保険金)受取人」という言葉を頻繁に目にしますが、正しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。今回は、保険のパンフレットや約款などで見る「契約者」「被保険者」「給付金(保険金)受取人」の違いやその関係についてご説明します。 知ってしまえば特に難しいことはないので、具体例を交えて解説していきましょう。定義としては以下になります。 たとえば医療保険に加入したとして、次のような契約を結んだとします。 • 契約者:父 • 被保険者:母 • 保険金受取人:子ども 契約者である父には、保険契約におけるさまざまな義務と権利が生じます。義務の代表例は保険料の支払い。他には、転居した際に保険会社にその旨を知らせる通知義務などです。 義務を負う代わりに得る権利は、保険金の減額、支払方法、保険期間の変更、代理人請求者の指定など、契約の根幹にかかわる部分を取り決めることができます。 被保険者である母は、保険の保障対象となる人ですから、母が入院したり手術を受けたりすると保険会社は契約に従って保険金を支払います。ただし、このケースでの保険金受取人は子どもなので、入院給付金や手術給付金を受け取るのは子どもになります(※契約形態のあり方を説明するために上記のような形にしましたが、医療保険では「被保険者=保険金受取人」であるよう定められているのが一般的です)。 こうした規定は商品の特性により異なります。子どもが対象の保険なら、被保険者は子ども、保険金受取人は保護者になりますし、生命保険では、被保険者が夫、保険金受取人が妻であるケースが多いでしょう。 契約形態で変わる税金の種類 保険会社から支払われる保険金は、受け取る保険金の種類や契約形態によっては課税対象になるので注意しましょう。医療保険の入院給付金や手術給付金は非課税ですが、死亡保険金や満期保険金、個人年金保険金は、所得税・住民税、贈与税、相続税がかかることがあります。 代表として死亡保険のケースを見てみましょう。 相続税 前項でよくあるケースとして紹介した、契約者・被保険者が夫で、死亡保険金の受取人が妻の場合は相続税の課税対象になります。 ただし、各種控除が適用されるので相当の額でない限り相続税はかかりません。 所得税 契約者と保険金受取人が同一の場合、保険金は一時所得(働いて得たお金ではない)として所得税の課税対象になります。 贈与税 3者ともバラバラの場合、保険金受取人は契約者から保険金を受け取ったと見なされて贈与税の課税対象になります。 税法上の決まりは難しいものですが、知っておかないと余計な税金を支払う恐れがあるので覚えておいた方がいいでしょう。よく理解せずに契約してしまった人は、もう一度契約形態を見直し、必要であれば変更の手続きを行ってください。 保険契約者・被保険者・受取人の定義 保険の契約をするためには、どの保険にも必ず「保険契約者」「被保険者」「給付金(保険金)受取人」が登場します。それぞれの言葉と特徴をご説明しましょう。 ■保険契約者 保険契約者とは、保険会社と契約を結ぶ人のことです。契約によって、権利(契約内容変更などの請求権)と義務(保険料を支払う義務)があります。 例えば、保険契約者は医療保険に加入した後に保険会社の同意を得て、入院給付金保障を日額1万円から5千円に減らしたり、保険料の支払方法を月払いから年払いに変更したりすることができます。契約の途中で契約者を変えることも可能です。 ■被保険者 被保険者とは、医療保険の保障の対象になる人のことです。医療保険の契約では、被保険者が病気やケガで入院や手術をすると入院給付金や手術給付金を支払います。 保険加入後、契約者や受取人は途中で変えることもできますが、被保険者は変えることができません。 ■給付金(保険金)受取人 病気やケガで入院や手術をすると、保険会社から支払われる給付金(保険金)を受け取る人のことです。 給付金を受け取る場合は、保険契約者・被保険者・受取人などが保険会社に給付金の請求手続きする必要があります。 保険契約者・被保険者・受取人の関係 医療保険の契約は、保険契約者が被保険者や給付金(保険金)受取人を誰にするか決めます。医療保険の場合、全て同一人物の場合もあれば、契約者と被保険者が異なる場合もあります。 ■医療保険の組み合わせ例 • 契約者(本人)/被保険者(本人)/給付金(保険金)受取人(本人) • 契約者(本人)/被保険者(配偶者や子)/給付金(保険金)受取人(配偶者や子) 医療保険の場合、単身者は契約者自身のために加入するため、被保険者=受取人というケースが多いですが、家族がいる人は配偶者や子どものために加入することもあります。その場合、契約者は夫で被保険者と給付金受取人は配偶者ということもあります。 収入のない人が契約者となる時、保険料を払う人は? 収入がない人が契約をする場合は保険料負担者と呼ばれる収入のある人、例えば専業主婦であればその夫が、保険料を負担します。保険契約者には、保険料を支払う義務があるので、基本的には契約者=保険料負担者となりますが、上記のような場合はイコールでなくなることもあります。 しかし、保険契約にとって、保険契約者が被保険者や受取人を決めることは、生命保険料控除や医療費控除、給付金(保険金)受取時の課税などに大きく影響を及ぼすため、よく考えて決める必要があります。 保険契約者・被保険者・受取人を理解して保険を検討しよう まとめると、 • 医療保険のパンフレットを読むために契約者・被保険者・給付金(保険金)受取人の意味を覚えよう • 医療保険の契約は、契約者・被保険者・給付金(保険金)受取人=契約者自身となることが多い • 保険契約者と保険料負担者が異なることもある 「契約者」「被保険者」「給付金(保険金)受取人」の違いは、おわかりいただけたでしょうか? 保険のパンフレットや資料を読んでいて、分からない言葉があった時は、保険代理店や保険ショップで尋ねてみるとわかりやすくなるのではないでしょうか。

わかりにくい医療保険関連ワード、あれこれ

Published on

医療保険についていろいろと調べていくと、聞きなれない保険用語を目にすることもあると思います。 今回は、数多くある保険用語の中でも、注意すべき用語について紹介します。 【ご注意】 本記事では、少しでも皆さんに情報を役立てていただきたいと考え、一般的な医療保険について紹介しています。保険会社によって扱う保険商品?内容が異なりますのでご注意ください。 「保険期間」と「保険料払込期間」 契約した保険の保障が行われる期間を「保険期間」と言います。また、「保険料払込期間」とは、保険契約者が保険料を支払う義務がある期間のことを指します。 例えば、「保険期間?保険料払込期間:ともに終身」というケースは、保障も保険料の払込みも一生涯続きます。 一方、「保険期間:終身、保険料払込満了:60歳」というケースを例に挙げると、保障は一生涯続くが、保険料の払込みは60歳までで満了、ということを意味します。 保険商品によっては、保険料払込期間をご自身で選べるものもあります。払込期間によって月々支払う保険料も異なるので、ライフプランに合わせて選択するようにしましょう。 また、保険料払込期間が設定できる場合、払込期間を短く設定すると月々の保険料が高くなりますが、支払う保険料の総額は安くなります。ただし、これは長生きするという前提。前倒しで払う場合は、長生きしないと結果として保険料が割高になることもあります。 「保障開始日」に注意しよう 「保障開始日」とは文字通り、保障がスタートする日のこと。 通常の医療保険は申込書と告知書を提出し、第1回目の保険料が支払われると保障がスタートします。 しかし、がんに関する保障については加入後3ヵ月経過してから保障がスタートするのが一般的です。3ヵ月経過する前にガンと診断され、入院や手術をしても保険金は支払われません。保障開始日はしっかりと確認しましょう。 知っておきたい、入院保障の保険用語 入院保障の「1泊2日から保障」、「日帰り入院から保障」って? 「1泊2日から保障」という保険商品は、1泊2日以上の入院をした場合、入院1日目から入院保険金が支払われることを意味します。 一方、「日帰り入院」とは、その日のうちに退院する入院を指し、「日帰り入院から保障」の場合は文字通り日帰りでの入院なども対象となります。 ただし、「日帰り入院」は入院施設を利用し、入院基本料の支払いが必要となる入院をいいます。外来扱いであれば、保険金支払の対象になりませんので、注意しましょう。 「1入院●●日、通算○○日まで保障」って? たとえば「1入院60日、通算1,095日まで保障」という場合。1回の入院で60日までの入院が保障され、合計で1,095日分までの入院が保障されることを意味します。ただし、所定の期間内に同じ病気や関連性のある病気等で入院した場合は、前の入院からの継続とされ、1回の入院とみなされるケースもあります。 「上皮内新生物」って何のこと? ガン保険について調べているときに、「上皮内新生物(じょうひないしんせいぶつ)」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。 「上皮内新生物」とは腫瘍の一種。ごく早期のガンで、内臓等の上皮組織内にガン細胞が留まっている状態をいいます。一般に「ガン」として知られる「悪性新生物」とは区別されています。「上皮内新生物」は周囲への浸潤や転移などの可能性がないとされ、悪性新生物の場合と比較して大きな手術などは必要ないことが多いため、保険商品によっては保障の対象外にしていたり、支払われる保険金が低く設定されていたりする場合もあります。保険商品のパンフレット等をよく読んで確認してください。   ガン診断保険金の支払い回数について ガン保険のガン診断保険金は、保険期間中1回だけ支払われるものと、ガンと診断されるたびに何度も支払われるものがあります。ただし複数回支払いの場合も、前回の支払いから2年以上経過していることなどが条件となっていることもあります。 「手術保険金」と書いてあれば、すべての手術が保障される? 入院して手術をしたからと言って、すべての手術が保障の対象とは限りません。保障の対象となる手術は、原則として、約款に記載されている手術のみです。 保険金の支払われ方も、一律の保険金が支払われるケースもあれば、手術の種類に応じて入院保険金の何倍かが支払われるケースもあります。 最近よく聞く「先進医療」って? 「先進医療」とは、公的医療保険制度の対象となっていない先進的な医療技術のうち、厚生労働大臣が定める医療技術(*1)のことをいいます。 先進医療は、治療時の肉体負担が軽い、治癒効果が高いなどのメリットがあると言われていますが、その一方でその技術料は公的医療保険の対象とならず全額自己負担のため、治療費が高額になってしまう場合があります。 「先進医療を保障する」と説明されている保険商品は、その先進医療の技術料をある一定の金額までカバーするものが一般的です。 医療保険で先進医療も保障してもらえるのであれば、先進医療が必要な場合でも、費用を気にすることなく安心して治療に専念することができますね。 (*1) 先進医療の保障が適用されるのは、厚生労働大臣の定める医療技術や医療機関に限定されます。先進医療と認定されている医療技術や医療機関も日々変わるため、治療を受ける際には、厚生労働省のウェブサイトなどでチェックしておくことが必要です。